三年

家族の元から逃げた日から三年がたった。

 

居住場所を奪われかけ、金を奪われかけ、一生自分の人生などないと思っていたあの日から三年が過ぎた。

DVシェルターに逃げ込んだ三年前、あの日は雨だった。傘を握りしめ、今と同じコートを着て市役所の椅子に座っていた。電話越し、必死にDVシェルターの職員に事情を話していた。当時通っていた作業所の担当の人にシェルターに送ってもらった。

 

断片的にでも思い出すと涙がでてくる。

あまり詳しく思い出すと苦しくなるのでこの辺にして。

 

 

今の作業所のサービス管理者から、「あなたの人生を歩みましょう」というのが目標のひとつになっている。

 

私の人生。

 

私の人生とはなんだろう?

幾度となく自分に問いかけて生きている。

まだ私は自分の人生を生きている気がしない。

他者の視線を気にして、他者の言動に一喜一憂し、他者の軸に傾きながら生きている。

自分の軸なんてものがないまま。弱すぎる我を持ったまま。強い自我を持つ人にふりまわされながら。

我の強い人に迎合してしまう。

まだまだ私は私の人生を歩めていない気がする。

 

もう少し自分の意見を押し通そうとするだけの意志を持てたらよいのに、と思う三年目。